妊活スタートの心構え

妊活とミネラルの良い関係

厚生省が提唱している妊産婦向けの食生活の指針の中で、妊娠前から妊娠中に摂取すべき栄養素としてビタミンとミネラルが取り上げられているように、妊活にはミネラルがとても大切な役割を果たしています。

妊産婦に必要なミネラルは、カルシウム・鉄・亜鉛の3つが主なものです。カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品をはじめ、豆腐や大根、小松菜、ししゃも、いわし、ゴマなどに多く含まれます。胎児の骨を作るために必要な栄養素で、母親の骨から使われるのですが、本来なら妊娠したからと言って大量にカルシウムを摂取する必要はありません。しかし、現代日本人は往々にしてカルシウムが不足しがちです。そのため、妊活中から積極的に摂取して体内に蓄積しておくべきなのです。

厚生省の示す成人女性推奨摂取量は1日に5~600mgですが、実際に摂取されている平均摂取量は大幅に下回った数値に留まっています。妊娠すると胎児のためにどんどん使われていく栄養素なので、不足すると母体の骨粗しょう症のリスクなども上がることになります。

効率よく摂取するために、吸収を助けてくれるクエン酸を含むリンゴやレモン、ビタミンDを含むサバやイワシ、マグネシウムを含む大豆やナッツ、玄米などを一緒に摂ると良いでしょう。

鉄に関しては、普段から不足している女性が多いことでも知られていますが、体内で酸素を運ぶ働きのある赤血球を作る栄養素で、胎児への酸素運搬に重要な役割を果たすことから、不足していると胎児に十分な栄養を行き渡らせることができなくなる危険を孕んでいます。子宮内膜の形成にも影響を及ぼすものなので、干しエビやシジミ、レバーやプルーンなどの鉄を多く含む食品を積極的に摂取することが肝要です。

また、牡蠣やアサリ、牛肉や煮干しなどに豊富に含まれている亜鉛も、胎児の細胞分裂を助けるという大変重要な役割を担っています。産まれてからの皮膚の形成などにも影響を及ぼすため、不足することで乳児湿疹やアトピー、味覚障害の原因にもなり得ます。母乳に含まれる亜鉛は赤ちゃんの免疫作りにも欠かせないものなので、妊娠前から積極的に摂取しておくべき栄養素のひとつと言えるのです。